1日、痰吸引等の1号研修の指導、いえ、指導はそこにいるヘルパーさん達です、自分は何かあった時の要員ですね。歩さんは産まれてすぐ、気管切開し、呼吸器をつけ、胃瘻にて経管栄養剤の食事を、ヘルパーさんが全て行っています。受講生と共にそのお家に行き、実際にやります。何度も行っているお家ですが、今回は歩さんの提案で、自分を撮影した、生い立ちのDVDを見せて下さいました。

淀川キリスト教病院から4歳で退院する時からのテレビで放映された生い立ちです。当時は人工呼吸器を付けて退院することは活気的なことで、今は亡きお父さんが会社辞めて、歩さんのケアを全て20歳までしました。お父さん急死したのです。今は、一人暮らし、365日、24時間2人体制でヘルパーさんがいます。ヘルパーさんは知らないお父さん、自分はお会いしたことがあります。付き合い長く、この出会いがあったので、喀痰吸引の事業ができています。人生何が幸いするかわかりません。みなが助かる仕事になりました。歩さんにももちろん仕事として依頼しています。

数年前まで、周囲は歩さんは超わがままで・・・でとんでもないと聞いていましたので、手ごわいかな?と内心思っていたのですが、自然にやさしいし、よく自分たちの事気にかけてくれます。あれ、聞いていた情報と違うという問いに、ヘルパーさんが歩さんは変わったとのこと、他人の事考える人ではなかったけど、ヘルパーさんたちとのやり取りで思いやりが出来るようになったとお聞きしました。そんなに変われるのか不思議です、自立して生活している方は一筋縄ではいかないこと百も承知です。現場で実感しています。

歩さんが変わった、変われた意味が生い立ちのDVDを見て分かりました。ご両親、とりわけお父さんが歩さんを大切にしていたことが伝わります。人は人に大事に育てられて成長できる何かを獲得できること目のあたりにしました。何より、歩さんは素直です。変わろうとして悩んで変わったののではないようです。自然にです。基本「愛」を体験し、そして、最愛の父を亡くし、その悲しみを解る人間が人間になれると自分は考えました。子が育つ過程で大事にされた経験の大切さが分かります。一生を左右です。子ではありませんが、会社のスタッフにも愛がだいじだなぁ~と 厳しい愛情でいきましょう・・・愛の鞭というやつです(笑)。