「主人が大変なんです。月一回の訪問今日にしてください。」とのSOSの電話。認知症のその方は、背中が痛いと落ち着きなくいました。今日、整形外科に行き、背中に痛み止めの注射までしたけど、それでも治らないと、殺してくれ・・・自殺する・・・死んだらお前に財産を全部やるから・・・と奥さんは丁寧に返しています。ご本人に、どこか病院連れて行ってくださいと両手を合わせて拝まれました。不定愁訴・・・不安でしょうがない状況がみてとれました。病院へ行っても同じだし、よし、知り合いの鍼灸師の方に来ていただく、本人が納得し、不安が無くなったらいいと・・・夕方六時に来ていただきました。

待つ間に、ご主人は自分は癌であると、思い込みが変わっていました。奥さんにお前には世話になったとお礼を言っていたそうな・・・施術すること60分以上、脊柱は曲がっていることや、注射をした後に貼っていた、絆創膏の角が皮膚の当たって痛かったこともあったようです。癌、肺病ではありません。と言ってもらい、安心も作用したようです。終わりには笑顔になりいつもの御主人でした。

何が良かったか、まあ施術もよかったのでしょうが、ずっと60分以上もご本人さんに向きあい、ご本人さんの気持ちをずっと汲んでいました。受け入れられたというのでしょうか、鍼灸の先生の穏やかなゆくりした性格も作用していますね。私も学ぶべきことがたくさんありました。ありがとうございました。

本人、奥さん、鍼灸先生、共に良かったねを体験、喜びです。